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HIVってどんな病気なんでしょうか?性病なの?

HIVは、ヒト免疫不全ウイルスのことです。
humanimmunodeficiencyvirusの頭文字を取ってHIVです。
このHIVウイルスに感染するとHIV感染症となります。
しかし、HIV感染症=エイズではありません。
エイズとは後天性免疫不全症候群のことですが、HIVに感染して進行した場合に、免疫不全の状態となって、様々な合併症が出現した状態です。
HIVに感染すると、数週間後に発熱などのインフルエンザに似た症状が現れます。
そしてインフルエンザのような症状が治った後は何も症状がありません。
この時期を無症候期や無症候性キャリア期と呼んでいます。
この時期は数年から10年ほど続きます。
その後、発熱や下痢や体重減少などの症状が続きますが、この時期はエイズ関連症候群期でエイズの発症間近な時期です。
そして、免疫不全などによる感染や悪性腫瘍などが出現し、この時期がエイズと呼ばれる時期です。
HIVウイルスに感染した人の感染ルートの大半は性交渉による感染です。
以前は血液製剤や輸血による感染ルートもありましたが、現在は厳密な検査を行っているので輸血や血液製剤による治療でHIVに感染する心配はほぼ0となっています。
性交渉による感染の中でも、同性愛者が約半数を占めています。
また、汚染された針による入れ墨や麻薬中毒の人の注射の回し射ちが原因となっているケースもあります。
もう一つの感染ルートは母子感染です。
妊娠してきちんと医療機関で検診を受けて出産した場合は、きちんと検査をするので母子感染の心配はありません。
しかし、妊娠しても医療機関を受診しないで駆け込み出産をした場合は、感染していることに気がつかずに出産して、母子感染するリスクがあります。
HIVに感染している人と、一緒に食事をしたり一緒に暮らしても感染することはありません。
ただし気をつけないといけないのは、HIVに感染している人がケガなどで出血した場合です。
この場合に、HIVに汚染された血液に素手で触れて、その手に傷があった場合は感染確率は低いものの、感染する可能性があります。
また、口の中に傷がつくようなディープキスも感染確率がいくらかあります。
つまり、HIVに汚染された血液や体液がたくさん体内に入り込むと、感染確率が高くなるということです。
だから、汚染された大量の血液が体内に入る輸血や血液製剤の点滴や、精液や膣の分泌物が大量に体内に入る性交渉で感染するのです。

エイズの主な症状と治療について

HIVに感染したりエイズになると、どのような症状が出るのでしょうか。
HIVに感染した時の大きな特徴は、感染初期の数年から十数年間は無症状だということです。
HIVに感染すると、数週間後にインフルエンザのような症状が出ます。
発熱や倦怠感などの症状です。
しかし、この症状が治った後は数年から十数年もの長い間、無症状です。
この時期にHIVに感染していることに気がつかないと、ウイルスを多くの人に蔓延させることになります。
感染している人が不定多数の人とセックスを行い、そのセックスパートナーも不特定多数の人と性交渉を持っている場合は、まさにネズミ算式に蔓延させることになります。
数年から十数年の無症候期を過ぎると、発熱や下痢や体重が減り、エイズ関連症候群期に入ります。
この時期が数カ月続いた後にエイズ期となって、エイズを発症します。
エイズになると、免疫力が大幅に低下するため、健康人では何でもないような些細な細菌やウイルスにも負けてしまいます。
これを日和見感染と言うのですが、日和見感染によって全身に様々な症状を来します。
サイトメガロウイルス脳炎、ニューモシスチス肺炎、カンジダ食道炎などがあげられます。
聞きなれない病名だと思いますが、健康人であれば感染することがほとんどないウイルスや細菌等が原因で脳炎や肺炎や食道炎になるのです。
また、HIV合併症として有名なのがカポジ肉腫と呼ばれる悪性腫瘍です。
カポジ肉腫は皮膚や内臓にできる腫瘍です。
悪性リンパ腫という、血液のがんを合併することもあります。
エイズ患者が日本で初めて発見されたのは1985年です。
当時は、エイズ病棟の患者さんは裏口から退院する(死亡退院)と言われており、死に至る病でした。
しかし、1990年代後半に抗ウイルス療法(ART療法)という治療法が開発されてからは、エイズ期への移行を阻止できるようになりました。
今では治療法も確立されて、エイズ病棟の患者さんも元気に正面玄関から退院されています。
エイズで命を落とさないためには、そして感染を蔓延させないためには、感染初期の無症候期に発見することがポイントです。
どんな病気でも早期発見は重要ですが、HIV感染も同様です。
早期発見して適切な治療を受ければ、一昔前のように命を落とすことはまずありません。
HIVに感染しているかどうかは、保健所で無料で匿名で検査を受けることが可能です。